北嶋糀店

北嶋糀店外観

森町旧市街にある老舗こうじ屋… 北嶋糀店さん

ぽかぽかお日さまが、気持ちいい。春の森町をそぞろ歩いているときに、発見しました。北嶋糀店さんという、こうじ屋さんです。森旧市街、福むらさん、レッカーランドフクカワさんとかのすぐそば、森のど真ん中にありました。

お店の外観からして、ただならぬ様子。きーっと、すごーい、老舗に違いない…。おそるおそる、ガラス戸をあけて、声をかけてみました。「こんにちはぁ~」。

ということで、北嶋糀店さんへ、探検のたび、はじまり、はじまりぃ~。

天保13年創業というけれど…

お店の方に、開口一番、聞いてしまいました。
「こちらのお店って、古くからなんですよねぇ」

その答え、ほんと、びっくり、びっくりです。
「天保13年ってことになっています。でもね、天保13年っていうのは、残っている資料で、現在、確認できている時期なんです。たぶん、もっと古いと思いますよ!」

「えっ、てんぽー???」

天保って、天保の改革とか、ああいうころですよね。江戸時代も、江戸時代。ショーグン様の時代です。なんか、すごいことになってきたと、調べてみました、天保13年は、1844年です。どひぇー。それも、天保13年よりは前、ってことは、たぶん、それ以上に長い歴史があるってこと。もう、何がなんだか…。

北嶋糀店の店内
見るからに、老舗という雰囲気が…

そういえば、店内の様子も、歴史チック。昔からの由緒あるお店といった感じです。

「というと、このお店の建物も、そうとう、古いんでしょうねぇ」
と、矢継ぎばやに、追加質問。

お店の方、曰く、
「そうでもないですよ、明治ってとこですよ、建物のほうは…」
明治が、最近に思えてしまう歴史観に、圧倒されます。ホント。

実は、お話を伺ったのは、ご主人でした。ところで、ご主人は、何代目なんでしょうか、と聞いてみると、答えは「7代目か8代目ですね。」とのこと。途中、すぐに代を変わってしまった方がいたりして、もう、よく分からなくなってしまっているんですって。歴史が長すぎて、もう、たどれないところがあるなんて、ハンパじゃない老舗です。

こうじ屋さんって…

こうじ
これが、「こうじ」
冷蔵庫のショーケース
冷蔵庫には、こうじ、味噌、甘酒、塩麹などの商品が並ぶ

ところで、こうじ屋さんって、なにをしているお店かというと…。よく分からないので、聞いてみました。

ひとことで言えば、こうじを作っているお店です。お米に麹菌を植えつけると、こうじができあがります。このこうじを元にして、みそとか、甘酒を作ります。といっても、みそに使うこうじとか、甘酒用に使うこうじとかで、それぞれお米に植えつける麹菌が違うのだとか。

でも、みそも、甘酒も、こうじから作るので北嶋糀店さんでは、こうじだけでなく、みそも甘酒も作っています。

実は、おみそ屋さんの中には、自分ではこうじを作らないところがあって、そういうお店の方は、こうじ屋さんからこうじを買って、おみそを作るんだとか…。だから、こうじ屋さんの存在って言うのは、とっても大切なんだそうです。こうじ屋さんがなくなっちゃうと、おみそ屋さんも、やっていけなくなっちゃうんですもの、そうですよね。

でも、こうじやさんって、最近、どんどん減ってきてしまっているんだそうです。森町でも、北嶋糀店さんを含めて2軒しか、ないんですって。大変だけど、どうしてもなくすわけにはいかないから、がんばらなくっちゃと、おっしゃっていました。

1種類しかない、みそ!

みそ
8ヶ月寝かして作ったみそ

北嶋糀店さん自慢のみそについて、伺いました。

大豆をゆであげ、こうじを植えつけます。そして、8ヶ月ものあいだ、寝かして、みそのできあがり。

毎日、毎日、8ヶ月後のみそのために、仕込んでいくのだそうです。よく、白みそとか、いろいろな種類のおみそがありますが、色の違いは、寝かせる時間によるのだとか。時間が短いと、白みそ、それから、だんだん、濃い色になっていくんだそうです。地域によっては、麦とか、別の材料を加えたご当地のみそがあるけど、基本的には、寝かせる時間の違い。何種類もおみそ、作ってます、という場合も、寝かせる時間が違うだけということが、多いそうです。そんな中、北嶋糀店さんは、8ヶ月のみそ、1種類のみ。自信があるの、ひとつで勝負。きゃー、カッコいいー。

おみそと、しょうゆ麹をお買い上げです。

さてさて、お話をいっぱい、いっぱい、うががったところで、何を買おうかなぁと、じろじろと店内を見回してみました。

いま話題の、塩麹もあります。金山寺みそもあります。甘酒もあります。

本当にこうじから作った甘酒って、アルコールがはいっていないんだそうです。昔は、栄養不足になってしまった子供に食べさえるとよいと、言われていたほど。なんと、栄養の点滴と同じか、それ以上の栄養があるんだとか。実は、点滴業界の天敵?それに、甘酒って言うと、さむーい冬に、フーフーといいながら飲むイメージがありますが、甘酒って、夏の季語なんだそうです。「ああぁ、冷やして飲む甘酒って、おいしいですよね」と言ったら、「夏だって、熱くして飲むといいですよ。子供さんとか、熱い甘酒飲んで、汗をかいて寝れば、風邪もすぐ治っちゃいますよ」とのことでした。へぇー、勉強になるなぁ。めもめも…。

みそとしょうゆ麹
みそは500gで525円、しょうゆ麹は300gで500円。

どれもおいしそうだし、選べなーい、と悩みつつ、選んだのが、みそとしょうゆ麹。

しょうゆ麹って、どうやって食べたらいいの?とご主人に聞いてみました。
「ふつうのおしょうゆのように、使ってください。刺身とか、おいしいですよ」とのこと。

こんにゃくをしょうゆ麹で
しょうゆ麹を、久米吉さんのこんにゃくと一緒に…。

さっそく、しょうゆ麹、食べてみました。まずは、久米吉さんのこんにゃくに付けて…。

うわぁ、確かに、おしょうゆに近い感じです。口に運ぶと、ふわっとハナに抜けるふんわりとした、お酒のような風味がします。おしょうゆに似ていますが、おしょうゆよりも、塩からくなくて、まろやか。

これは、ぜひ、アツアツごはんでたべてみようと、試してみました。ごはんの上に、しょうゆ麹をちょびっとのせて、ぱくっといってみました。うゎ~、おしょうゆのような、しまった味だけど、おしょうゆとはまたひと味違う!!
ふわっと、アルコールのようなまあるいかおりが、ハナにつんと抜けて・・・。こうじの風味がしっかりわかる感じです。これ、たまりません。おしょうゆだけど、たまりません。

北嶋糀店さんのホームページ ないのかなぁ

北嶋糀店さんのホームページがんばって探したのですが、見つかりませんでした。残念。

ということで、いつでも連絡できるように、めもめもです。なんと、北嶋糀店さん、年中無休でやってます。営業時間は、だいたい、夜6時か7時まで。時期によってかわります。電話は0538-85-2678。

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