栄正堂

栄正堂外観

どこで買うか、それが問題だ…

もう、森にきたら、お菓子を買わずに帰れません。森ファンになって、すぐに学びました…。「お菓子買うべし!」
問題は、「お菓子を買うか否か」ではなく、「どこで買うか」です。ずばり。

そんな究極の選択に迷う中、今日は、森町の古くからの中心部、県道278号沿いにある「栄正堂」さんへ行きました。ヤマチョウ鈴木長十商店さんのすぐそばです。

ところが、あれ~っ。なんか、この前と様子が違う!と、お店の方に聞いてみました。

ははーん。道路の関係で、ほんの少しだけ、場所が移動したのだそうです。ほんのちょっとだけ、お隣からの移動です。そういえば、森町の中って、最近、よく工事しているの、見ます。そういう関係だったのねぇ。

元祖 梅衣なりっ

栄正堂さんの店内
栄正堂さんの店内 柿のディスプレイが!

というわけで、真新しいぴかぴかの店舗ですが、栄正堂さんの入り口には、「元祖 梅衣」と書いてあります。思わず、尋ねてみました。

むめ女さんと梅衣の歴史
むめ女さんと梅衣の歴史について、書かれています

「こちらのお店が、元祖なんですかぁ、梅衣!」

ええ、ええ。なんと、栄正堂さんは100年ほどの歴史がある、老舗中の老舗。梅衣を考え出した「むめ女」さんという方に、直接弟子入りして修行した初代の足立甚平(じんぺい)さんが、はじめたお店だとか。

お店の中には、大きな額が飾られていました。ここに、「むめ女」さんと梅衣についての歴史が、ていねいに書かれています。難しい漢字は飛ばしつつも、ふむふむと読んでみました…。やっぱり、ハンパじゃない。

現在は、甚平さんのあとを脈々と継ぐお家の方が、「栄正堂ブランド」を守っています。甚平さんが、「むめ女」さんから学びとった梅衣の味は、しっかり、がっちり、ここにあるってワケです。こりゃ、おいしいのは、当然ですわぁ!

マイ梅衣やさんがあるのだ

わたしのマイ梅衣を見つけたい…
わたしのマイ梅衣を見つけたい…

おもしろいお話を伺いました。
森では何軒ものお店が、梅衣を作っています。みんな工夫を凝らしているから、味がちょっとずつ、違ってね…。どのお菓子屋さんも、梅衣には一家言あるといっても、言い過ぎじゃないかんじです。

でも、一家言あるのは、お店屋さんだけじゃない!
お客さんも、「ここのお店の梅衣じゃなきゃ」っていう、ご指定がある方が少なくないんですって。森の方たちは、お土産とかに、梅衣を使うとき、「うちでは、ここの梅衣!」というのを買って持っていかれるそうです。それに、そんなにこだわりがあるのは、森町の方だけかと思いきや、これまたびっくり。遠くから、森へ梅衣を買いに見える方も結構いて…。やっぱり、ご指名買いなんだそうです。

森の梅衣って、お菓子屋さんだけじゃなく、お客さんによっても、守られてるってことですよね。さすが、森の力です。カンゲ~キ。

梅衣と味噌まんじゅうを買いました

お話いっぱい伺って、お土産を決めました。今日は、梅衣と味噌まんじゅうに決定です。それぞれ、梅衣は一個130円、味噌まんじゅうは84円で、ほしい数を伝えると、その数だけ詰めてくれます。それに、進物用に、化粧箱に入れたのも、あります。

化粧箱に入っている梅衣は、贈り物にぴったり
化粧箱に入っている梅衣は、贈り物にぴったり

今日は、お客さまがみえる予定があるので、進物用のを奮発してお買い上げです。

梅衣、食べてみました。シソの香りがとってもいいです。口に近づけたときから、梅衣を満喫できるってかんじ。口に含むと、シソのしお味が、口中に広がって、上品で落ち着いた風味がします。
梅衣って、シソ・おモチ・あんの三層構造が基本。栄正堂さんの梅衣も、そこはもちろん同じです。でも、「ここからがシソだな、お餅だな、あんだな」っていう風に感じられず、味が分断されていないです。あえて言っちゃうなら、「シソ・おモチ・あん」が三位一体となって、新たなおいしい物体を作っているという趣…。全体としての一体感があります。中のあんはこしあんタイプ。伝統を大切にした、正統派の和菓子を食べていると、実感できるお菓子です。さすが、元祖の梅衣!!

みそまんじゅう
みそまんじゅうも…

さてさて、味噌まんじゅうです、です。
味噌まんじゅうっていうくらいなので、もちろん、薄い茶色をしています。食べてみると…。おおーっ。ほんとにお味噌のかおりがするし、味噌の風味がする!

これ、確実に、味噌が入っています。見た目だけじゃなく、しっかりお味噌が使ってある、と確信を持って言えます。びみょーに味噌フィーリングっていうタイプの味噌まんじゅうじゃ、ありません。正真正銘「味噌まんじゅう」。しっかりお味噌を食べてますってかんじがします。お味噌の発酵した、濃厚でまぁるい風味が鼻に抜けるし、キモチしお味な感じがするし…。きっと、これ、使っているお味噌も、ハンパじゃなく本物なのだろうなぁと思いました。きっちり、しっかり作ったホンモノのお味噌って、発酵食品に独特の奥深さというか、丸みというか、ミルクのようなまろやかな質感を感じます。これは、それをそのままおまんじゅうにしたって風です。

みそまんじゅう大人買い
みそまんじゅうも、箱買い、大人買い…

このみそまんじゅう、こしあんがたっぷり入ったタイプです。皮はすこし、厚め。しお味がきいてるし、味噌の風味が豊かだし、甘すぎません。あとひきです、これ。

おまんじゅうっていうと、甘くて、あんこがたっぷり、どーんと、どうだ!というような力技なものもありますが、これはひと味も、ふた味も違います。大人の味、高級和菓子なおまんじゅうです。自信をもって、お客さまにお出しできるわぁ。6個いりで、買いましたけど、こちらは箱代なしの504円。自宅用にも、職場のおやつにも…。まとめ買いしたい味です。

「これ、おいしい味噌まんじゅうなんですよ」と職場に持っていけば、人気者になれる?

栗むし羊かんも、食べないわけにはいかない…

秋になったら、森に来たなら、やっぱり、栗むし羊かんは、マストアイテム。

栗むし羊羹
栗むし羊羹 一竿 945円

ということで、栄正堂さんでも、栗むし羊かんを発見、迷わずお買い上げです。

じゃじゃーん。
栄正堂さんの栗むし羊羹。一竿945円なり。見るからに、ほくほく、ほろほろです。

わくわくと、お口に運んでみると…。やっぱり、見たとおり!!! ほくほく、ほろほろのむし羊かん。栗が、ほっこりと、ソボクなかおりと歯ざわりなのは、もう、当然といったところ。

びっくりなのは、『あん』の部分。極限まで甘さ控えめ。こんなに甘さがないと、ふつうなら、「味気ないかも」って思っちゃうかもってほど、甘くない!!!そこまで甘さ控えめでありながら、ココロからおいしいと感じるのは、きっと『あん』の味わいゆえ。あずきの香りというか、風味が、ぐぐーっと、いきていて、「あずきって、こういう味だったんだ!」って、理解できそうな感じ。ほっくりと炊かれたあずきは、まちがいなく絶品級です。ほくほく感で統一された、栗とあずきのハーモニー。「これが、栄正堂の栗むし羊かんです」宣言をされたキモチです。あー、参りました。はい。ホント。

ええぇっ!次郎柿を使ったお羊かんですってぇ????

ふと、栄正堂さんの前を通ったとき、張り紙発見しました。「風防羊羹」っていうお菓子があるらしい…。「知らないお菓子は、放っておけない」と、いそいそと栄正堂さんの店内に入って、お買い上げ、決定。

風防羊羹
風防羊羹 一竿 1050円

「この風防羊羹っていうの、ください」。
さっそくお買い上げしてから、お店の方に聞いてみました。「風防羊羹」は、【かぜよけようかん】と読むんだそうです。

なぜかって?いうのも、聞いちゃいました。なんと、この「風防羊羹」、森町の名物、次郎柿で作ったお羊かんなんですって!!!

柿って、栄養もあるし、そんなこんなで、【かぜよけ】なんだとか。「森の名物、次郎柿のお羊かんか、ほほー」と、興味深深に、次々とお話、伺っちゃいました。

おいしい、おいしい、森町の次郎柿ですが、そんな次郎柿をコトコト煮込んで、それから秘伝の技を、どっさりとつぎ込んで、作っているんですって!!!
それも、着色料とか使わずに作っているから、100%、次郎柿そのものの色。混ぜものナシ、正真正銘・次郎柿のお羊かんです。次郎柿のいいところを知り尽くした、森町のお菓子屋さんだからできるワザですよね。ほんと、ほほー、です。

ということで、わくわくとおうちに持ち帰って、食べてみました。ぱくっとおクチに運ぶと、次郎柿の深い味わいが、そのまま生きたお味が。よけいな混ぜものとかないからか、本来の次郎柿のよさが、ぐいぐいと引き出されています。ちょうと、ホントにおいしい干し柿みたい。クドイ甘さはないけど、柿の深い、複雑なコクのある甘みはしっかりあって…。たしかに、かなり甘さ控えめだけど、柿本来のうまみ、甘みがしっかりいきているから、物足りなさもまったくナシ。絶妙な甘さと深みのバランスに、しばし、無口になっちゃいました。さすが。としか、言いようがない味です。ああ、どうしましょう、また、森町にマストアイテムが増えてしまいました。

こちふかば…梅ようかんを召し上がれ

2月のはじめ、栄正堂さんで、ひとあし早い春のかおりを発見しました。店頭の張り紙によると、「東風梅」という梅ようかんが、あるらしい!!!さっそくその足で、店内へGoです、Go。

東風梅
東風梅(こちめ) 一竿 1050円

「この東風梅っていうの、なんですかぁ~」。
店内に入ると、開口一番、お店の方に聞きました。

「東風梅」。これ、「こちめ」って読む、梅のお羊かんですって。そしてやっぱり、季節限定品。な~る。「こちふかば…」っていう、歌にちなんでるのねぇ。と、ちょっと、文学チックなキモチです。

この「東風梅」、平成22年に作り出したばかりの、栄正堂さんの力作。梅肉をコトコト煮込んで、梅ジャムにして、それからお羊かんにして…、できあがるまでに、かな~りの手間がかかったお品。よく見ると、断面から、梅の皮がのぞいてる。やわらかくって、とっても繊細な梅の皮を、やぶれないように、ていねいに、ていねいに、はがして作っているんですって!!!

職人さんのお菓子への強い思いが、ぐいぐい伝わってくるような製法。聞いただけで、もう、感動領域突入です。

もう、もう、迷わずお買い上げ。いそいそと食べてみると…。

きぇ~、きょえ~。おクチのそばへ、近づけただけで、ふわっと梅のかおりが漂ってくる。といっても、キョーレツ・ウメフレーバーって風じゃなくて、ふんわり、ほわっと。なんか、2月さんが、「春ですって言うの、申し訳ないんだけど、ほんと、一応、春です。」って、控えめに、だけど、自信をもって主張しているみたい。本当のことだから、あえて強く言わなくても、ホンモノのもつ迫力で、ずっしり伝わってくるっていう感じです。

お味は、上品な甘さ控えめ。梅酒のような、うす甘くて、果実のフルーティーな余韻が味わえます。そんな、梅感いっぱいのテイストが、ソボクな口当たりのお羊かんに仕上がっていました。

「さくら咲く春本番までは、まだあるけれど、春が待ちきれない!!!本物の春の訪れを、真っ先にキャッチしたい」そんな、遠州の小京都遠州森町の人たちの、洗練された雅さをあらわしたお菓子な気がします。

栄正堂さんのサイト、ないみたい…。でも、森町商工会サイトに!

残念ながら、栄正堂さんのホームページはないようです。でも、でも、でも…。森町商工会のサイトで、しっかり紹介されてます。詳しくは、こちらでチェック、チェック!

せっかくなので、営業時間とか、めもめもです。水曜日が定休日で、営業時間は、朝8時から夕方18時30分。電話・ファックス番号とも、0538-85-2517です。

どこでも食べられる、栄正堂さんのお菓子。全国発送してくれます

じゃじゃーん。なんと、栄正堂さんは、梅衣とか、全国発送してくれます。栄正堂さんへ電話で、お願いすると、宅配便で送ってくれるそうです。翌日には届けることができるので、梅衣とか、あんまり日持ちしないお菓子でも大丈夫だとか。

ほんとに全国各地から注文を受けてて、岩手からのお客さまもいるんですって。びっくり。って、こんなにおいしいんだから、当然だわね。

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